2019-01-01から1年間の記事一覧

文体練習_190531

これから先の人生でうれしいことや楽しいことがなかったとしても、かつての楽しかった記憶さえあれば励まされるというのは大げさにしても、ブンやピルルと別れる時が来てもブンやピルルとの楽しかった記憶によってきっと乗り越えられるというのも、人にはき…

ニッポンのお笑い、百年のネタを見る② 中田ダイマル・ラケット/夢路いとし・喜味こいし

中田ダイマル・ラケット 辿り着いた王道 犬江 中田ダイマル・ラケットの「僕の健康法」には、長年兄弟で漫才をやってきて、叩き上げた漫才師としての自信を感じますね。漫才としての完成度や深みという点では、こうしたものに日本の漫才師の底力があると思う…

くるりとビートルズと真島昌利とミツメと彼女らしき人ができた同期の話

いずれにしろ、水泳の先生のほうをふりかえり、微笑し、手で仕草をした瞬間(先生はもうこらえきれなくなり、吹きだしてしまった)、自分の年齢のことなど彼女はなにも知らなかった。その仕草のおかげで、ほんの一瞬のあいだ、時間に左右されたりするもので…

ニッポンのお笑い、百年のネタを見る① 横山エンタツ・花菱アチャコ/リーガル千太・万吉

横山エンタツ・花菱アチャコ 日本の漫才のはじまり ――今日は、日本のお笑い芸人のネタの中から選んだ、横山エンタツ・花菱アチャコの「早慶戦」から始まって、まんじゅう大帝国の「全問正解」まで百本のネタを通して見ていただいた感想を伺い、日本のお笑い…

ムーンライダーズ「9月の海はクラゲの海」と姫乃たま『パノラマ街道まっしぐら』の話

〈いつか現れる、俺の絵を感じ取れる人間のために描いているのだ。やつらは俺の絵から立ち昇る激しい〝憎悪〟とその造り出す〝地獄〟に怯えるだろう。そうして人の心に恐れを抱きながら、怯えた一生を暮らす事になるだろう。俺はただそれが嬉しくて〝地獄絵…

台風クラブの『火の玉ロック』を聴いた話

ひとつの恐怖の時代を生きたフランスの哲学者の回想によれば、人間みなが遅すぎる救助をまちこがれている恐怖の時代には、誰かひとり遥かな救いをもとめて叫び声をあげる時、それを聞く者はみな、その叫びが自分自身の声でなかったかと、わが耳を疑うという…